春なのに・2

その日の夜、遅くまでTVにかじりつきながら情報を収集していますと、普通の三陸地震ではなく宮城県から茨城県くらいまでの南北400km(最終的には500km程でしたが)が何回かに分けて大きく動いた巨大地震であり、マグニチュードは8.7ということで、地震による直接的な被害もあっただろうが、そのほとんどは津波による災害で、三陸海岸だけでなく茨城県の海岸にまで巨大津波が押し寄せ、それにより甚大な被害に至ったようです

土曜日の朝、各種メディアはすでに現地に入り情報をレポートしてきましたが、陸前高田気仙沼・南三陸は壊滅状態で、女川町・山田町・大槌町などには近寄ることができず情報もないとのことでした

こちらでは、春めいた穏やかな休日であり、普通ならすぐにでも山に飛び出しているところなのですが、予震が続くなか危険な山に行く気分ではありませんし、とてつもない事が起こっている感じがしましたので、外に出かける気分ではなく、非常に珍しいことではありますが、天気の良い2日間とも家にいました(笑)

地震の発生日には被災による死者は1万を超すものと思いましたが、2日目の状況をみていると、とてもそれどころではないという印象を受けてしまいました。地震による建物の倒壊だけであれば、耐震が進んでいる住宅も多いはずですから、その100分の1にも満たないはずですが、あの津波の早さや衝撃力をみますと、悲観的な予測をせざるを得ません

地震発生後、生死に掛かる被災者の救援時間は72時間と言われていますが、それはあくまでも普通の地震による被害(倒壊)であって、今回のような津波災害では、春とはいえ水温は冷たい海水に一晩もつかっているだけでも相当に体力を消耗してしまうはずですし、津波の力でもみくちゃにされてしまえば、残念ながら人間などどうにもならないでしょう

死者数の予想を表だって口にするのはタブーなので、報道からは聞くことはできないだろうと思いますが、阪神大震災の5倍前後になるだろうとも言われています

地震被害の一端が少し見え始めてきたところに飛び込んできたのが福島原発の事故でした

当初は女川・福島とも大丈夫という報道でしたし、日本の原発は耐震もしっかりしているだろうと何となく思っていましたので、何を今頃と・・・・・小さなトラブルでも起こったのかと思っていましたら、どうもそんなに簡単な事ではなさそうな感じで、しかも、最初はそれほど大事には至らないだろうとされていたのが、状況は良くなるどころか日に日に悪化していく一方という感じで、未曾有の災害による被災者の救護とともに、原発への対応という2つの大きな課題を抱えることになってしまい、政府の対応は後手後手を踏んでいるのは、皆さん承知の事と思います