春なのに・1

1000年に一度と言われている今回の大地震ですが、僕はその発生時は仕事で知人のお宅にて打ち合わせの最中でした

5人で打ち合わせをしている最中に徐々にゆれだしたものの、最初のゆれはそれほどたいしたものではありませんでした。この程度のゆれならたいしたものではなさそうな感じで、5人とも「おっゆれてるね」というような感じで、ゆれが収まるのを静かに待っていました

なかなかゆれはおさまらず、それでもある程度の時間が経過したことから、そろそろゆれもおさまるだろうと思っていたところ、今度は強烈なゆれが始まりました。今までに経験したことのないゆれでした

知人の家は新築で立派な家でしたので、倒壊するようなことはまずないだろうとは思ったのですが、あまりに強烈なゆれでしたので、5人とも驚いてしまい皆で外に飛び出してしまうほどでした。スリッパで庭に飛び出したところに強烈なゆれが訪れ、庭にあった灯籠は倒れるし、駐車しておいた自家用車が波を打つような感じでゆれているのが目に飛び込んできました

5人とも立っていることができず、庭石にしがみついたりしてなんとか最大のゆれをやり過ごしました。しばらくすると落ち着いた感じになりましたので、家の中に戻り打ち合わせの続きを始めたのですが、皆地震のことが気になりますので、NHKのTVで情報を見ながら打ち合わせをしていました。その時のNHKの速報では、三陸沖で大きな地震があり、宮城県栗駒市で震度7、その周囲では震度6強とか6弱ということで大地震であることがわかり、甲府震度5という速報でした。そして大津波注意報が発令されたようで、気仙沼港の様子が映し出され、岩手・福島などの3カ所は3m、宮城では6mの津波が来るとテロップも映し出されていました。津波の到達予想時間は15:00ということで、打ち合わせをしながらも興味津々で気仙沼港の様子を見ていたのですが、15:00を過ぎても船が外海に逃げ出すような様子もなく、また津波らしきものも見ることができませんでした。もちろん、NHKのアナウンサーは津波の危険があるため、海岸や河口周辺の住民には口うるさくなるくらい避難を促していました

その後、打ち合わせも終了し、訪問宅の家から職場に帰ることになり、今度はNHKラジオで速報を聞いていたのですが、甲府での正確な震度は5弱ということでした。現在まで経験したゆれの最高値は震度4でしたから、やはり当地では一番のゆれでした

職場に帰る時、車中で一番気になったのは、職場がつぶれていないかということです(笑)。今働いている場所は、メインの職場を建設中のため、一時的な施設を利用しているのですが、もともと事務室になりそうもない場所に押し込められているだけでなく、建物自体も昭和47年に建築されている古い鉄筋コンクリート造りのため、大地震がくれば確実に崩壊することは間違いありません。それでも、震度5弱程度なら大丈夫とは思っていましたが・・・・・

職場に戻りますと、なんと職員全員が庭に避難していました。本震後の予震が頻発していたので、恐ろしくて建物の中に入ることができず、庭に避難しているとのことでした。まあ、さもありなんとは思いましたが、予震がおさまるまでは仕方がないのかなと思って、しばらく庭で避難することにしました

庭で避難している最中でも、頻繁にゆれなかなかおさまらない予震に不気味さも感じ始め、この頃から、これは普通の地震ではないなと思い始めました

予震のゆれも小さくなってきたので情報を得るために事務室に入りTVを見たのですが、ご承知のとおり、そこには恐ろしい光景が映し出されていました。押し寄せる津波に家や車が軽々と流されるという、あまりにも現実離れした光景は映画のワンシーンでも見ているかのようでした

津波といって思い出されるのは、少し前に起こったスマトラ地震ですが、その映像も衝撃的ではありましたが、今回の映像はそれよりもはるかに衝撃的で、なんだこれは・・・・・・という感じでした

すぐに頭に浮かんだのは、女川原発は大丈夫かということです。報道では女川原発福島原発は自動停止して安全だという事でしたので、ひとまずはホッとしました

その後、予震もだいぶおさまってきたので仕事に復帰したのですが、あまりにも生々しく衝撃的な映像で、定時になると同時に速攻で家に帰りTVを見ると、そこには地獄絵図ともいうべき光景が繰り返し映し出されていたのは、皆さんご承知のとおりです

各港で津波が押し寄せくる光景や、名取川を遡ってくる津波の衝撃度は9.11と同等かそれ以上の衝撃かもしれません。船や家、あるいは自動車がいとも軽々と流されていく様子は、家や車ってこんなに軽いのかと・・・・・TVから流されてくる映像ですら、その凄まじさに唖然とするのですから、その現場を目の当たりにしている当事者の衝撃度は計りしれないでしょう

風呂に入るのも忘れるくらい遅くまでTVから目を離すことができませんでした