春なのに・3

今回、大きな被害を受けた三陸海岸はのどかで風光明媚なため好きな場所の一つで、僕は何回も訪れている場所です。特に甚大な被害を受けた気仙沼南三陸町に至っては、春から秋と10年近く連続で訪れている場所で、思い入れもひとしおある地でもあります。常宿にしている宿もありますし、泊まった旅館や民宿も何件もあります。他には女川町や陸前高田にも同様な旅館や民宿があり、訪れるたびに美味しい海の幸をいただくのが楽しみでした

これらの旅館や民宿は間違いなく壊滅しているはずです。ひょっとした1軒だけは助かっているかなとも思いますが、仮に家は助かっていても、住める状態ではないでしょう(ここだけは小高い場所ありますが海のすぐ近くで、他はすべて津波で流されている場所内です)

津波の高さは最大の場所では10数メートルにも達したということで(最終的には30数メートルでしたが)、地元の人の想像以上でしたが、とりあえず避難し命だけは助かっていてもらいたいと願うだけです。今年もGWの連休に出かけようかとも思っていたのですが、とてもそれどころではありません



この写真は、南三陸町にある大谷海岸という駅です

三陸海岸沿いには気仙沼線という鉄道(JR)が走っています。この鉄道は、南三陸海岸の中心部である石巻気仙沼間を結んでいる鉄道で、風光明媚な土地をのんびりと走るローカル線で、電化はされておらずディーゼル車(昔の気動車です)が走っているところです

写真を見ればわかると思いますが、線路の左側は松原があり、すぐに砂浜が広がり夏は海水浴客がたくさん訪れる良い場所です。三陸海岸リアス式海岸で、海水浴ができるような遠浅の海岸はほとんどなく、ここの場所のように砂地で海水浴が楽しめるような場所は少なく、ここはその中でも代表的な海水浴場でもあります

線路の右は、観光物産館やコンビニ・食堂・駐車場が並ぶはまなす海洋館という場所で、まあ道の駅みたいなもので、新鮮な地元の魚や農産物が売られており、我々のような観光客には人気のスポットでした

この場所こは、海岸だけでなく、駅、海洋館や物産館があり南三陸町(旧本吉町)では一番の観光スポットであろうと思われます。この駅は気仙沼線中一番海岸に近く、なおかつ低い場所にある駅ですので、今回の津波の影響を大きく受けただろうことは想像に難くなく、現場を想像することすらできません。撮影している場所は、海洋館から跨線橋で線路をまたぎ海に行く通路の上からです。海岸線から高さにして10mもありませんので、津波に揉みくちゃにされてしまっただろうと思われます

建物の右は国道に面していて、その反対側にある民宿にも2度ほど泊めてもらったことがありますが、恐らくそこも助かってはいないでしょう。建物はともかくとしても、人だけは助かっていて欲しいと願うばかりです



リアス式の三陸海岸は、波もそれほどたいしたことはなく、潮の流れも弱いようなことから通常の漁業とともに養殖漁業が盛んなことで知られており、ワカメ・ホヤ・牡蠣・鮭などがたくさん養殖されています。独特の苦みというかクセを持つホヤは特に有名で、苦手な人もいるようですが、僕は好きなので行けばかなり食べてしまいます

冬場の生牡蠣も大好物でして、山梨でも三陸産の生牡蠣は店に並びますので、冬になりますと1度に10個位ずつ食べてしまうほどで、今冬も何回か食べていました。地震があった翌日にスーパーへ行った時には、かろうじて1パックだけ残っていて、次にこのパックを見ることができるのは何時になるのだろうかと思いながら見てました。もちろん、夏はプルプルとした岩ガキも絶品で、フカヒレなんてのも美味しかったです

報道では、南三陸町の映像が繰り返し流されていますが、南三陸町は旧本吉町と旧志津川町が合併してできた町で、北側に旧本吉町、南側に旧志津川町と並んでいて、役場あったのが旧志津川町となっており、こちらの方が平地にあって壊滅に近い被害を受けた場所でもあります

この町にも何度もお世話になっており、どこに釣り道具屋があるとかコンビニがあるとかまで熟知しているほどで、被災後の映像を見ますと言葉を失うほどです

あまりにも思い出多い地でありますし、GWには訪れる予定をしていた場所であることから、何とも言えない気分ですね