凄い人がいるものです・2

前回は畏れ多くも天皇陛下の事を書かせもらいましたが、もう一人はSB社の孫正義氏です

ご承知のとおり、孫さんは個人で10,000,000,000円(100億円)という莫大な義捐金を支払うだけでなく、平成23年度までの自分自信の役員給与もすべて被災者のための支援に使ったり、会社としても義捐金を支出したり、たくさんの物資の支援をしたりと、あまりにも桁違いの支援に驚かされました

震災と大津波が発生して以来、たくさんの著名人の方が義捐金の支払いを表明したり、物資の支援を行ったりしていますし、今後も、その支援はしばらく続くと思います

当初は、FL社の柳井さんが10億円の支払いを表明した事に多くの人が驚かされました。孫さんは震災以来政府の対応等にやや批判的な事を表明していましたし、被災者のことや日本の未来のことなどを憂うようなコメントもたくさん出していましたので、柳井さんの倍の20億円くらいは出すだろうと思っていたのですが、実際に表明したのは100億円という桁が違う金額でした

100億円という数字は、我々庶民には実感のない数字でしかりません。僕が住んでいる山梨県昭和町は人口が17,000人程度の小さな町ではありますが、県内でも1〜2位を争う裕福な町で年間予算は60億円程度です。桁違いの被害を受けた南三陸町の予算は140億円、大槌町や山田町は恐らく数10億円程度でしょうから、その巨額さには唖然とすると言いますか驚かされました

もちろん、額の多寡が誉められることではなく、大事なのは その思い でありますで、義捐金を出せる人は出せば良いでしょうし、ボランティア活動で支援したい人はその能力を提供すれば良いでしょうし、節電や買いだめをしない事で支援をしたり、天皇家のように同じ苦しみを味わうことで痛みを分かち合うのも良いでしょうし、外国の方のように祈る事でも良く、さまざまな人が心を寄せたり、いろいろな形の支援を行うことが復興への足がかりになるだろうと思われます

孫さんの総資産は6000千数100億円と言われています。そのうちの100億ですから、総資産の約60分の1です。単純な比較ですと60分の1ということは、600万円ある人にとっては10万円になります。まあ、残る金額が全然違いますので、単純な比較はできませんが、やはりなかなかできることでないことは言うまでもないでしょう

資産(貯蓄)を600万持っている人が10万円出したとしても、残りは590万円残ります。貯蓄の使用使途については、住宅資金の積み立てであったり、子供の教育資金であったり、将来のための蓄えであったりと人それぞれでしょうが、ここで10万円支出をしたとしても、総体ではたいして変わらないとは思いますが、このような立場の人であっても、なかなか10万円を送ることは難しく、恐らくほとんどの人は1〜3万円程度になってしまうでしょう

それを、ポンと100億も出し、被災孤児については高校卒業まで面倒をみたり、自分給与もすべて出すなどと、なんという気持ちの良いお金の使い方でしょうか

昔からお金持ちと呼ばれる人はたくさんいました。明治時代の立志伝中の人と呼ばれるような人は、自分のためでなく公共に対しても自分の資産を提供し、橋・道路・学校を造ったりするなどのように地域に貢献していましたが、戦後のお金持ちは、自己のためには使っても公共的なことに使うような人はあまりいまいように感じていました

もちろん、個人のお金ですからその個人がどのように使おうがまったく問題はないのですが、『困っている人がいたら、自分にできることで何かしてやりたいという』思いやりというか、『今回は三陸の皆さんだったが、いつ自分達も被災するかもしれない』『お互い様』というような相互扶助精神が安心な社会を形成していくうえでは必要なことで、『自分さえ良ければ・・・』というような風潮が蔓延しそうななかで、多くの人が思いを寄せている事に感激しています

そのなかでも、孫さんの支援は、桁違いに素晴らしいものであることは誰しも思うでしょう。前回紹介した天皇陛下と同じに 人間としての質の高さ をしみじみと感じてしまいます
爪の垢でも煎じて飲ませてもらいたいものですね