トランジスタラジオ

日本古いロッカーである忌野清志郎さんが、先日ガンで亡くなられてしまいました。年齢は58歳と言う事ですが、まだまだ若いですね

忌野清志郎といえば、RCサクセションを率いて70年代から活躍していたロックバンドのボーカルで、一番最初に見たのは大学時代のTV番組でして、ど派手な化粧をしてキンキラの衣装に身を包んでシャウトしている清志郎さんは、今流に言えばやけにキモいボーカルだなと思っていました
その後、「雨上がりの夜空に」とか「トランジスタラジオ」などのヒット曲が出て、まあまあ認知度は高くなり、「愛してるかい」とか「ベイビ〜」などというフレーズも知られるようになってきました

当時の僕はジャズばかり聴いていたので、最初はそれほど興味もなかったのですが、ある日バイト先の若い人がウォークマンで音楽を聴いていて、『風さん。この曲すごい良いので聴いてみませんか?』と僕に聴かせてくれたのが、清志郎トランジスタラジオでした

RCサクセションについては、前述したようにど派手なキモいロックバンドという印象しか持っていなかったのですが、この曲を何回か聴いてみたら、驚く事になかなか良いではないですか。それ以来熱烈なファンになってしまった・・・・・という程ではありませんが、頭の隅に引っ掛かるバンドになりました

トランジスタラジオという曲は、高校生の歌みたいなもので、大学生の僕にはちょっと懐かしい雰囲気だったので気にいったのかもしれません

歌が良かったのももちろんですが、清志郎のシャウトするような歌い方や、トーンの高い声質も僕好みだった事もあります

数年前に喉頭ガンに罹っている事がニュースになり、闘病後にカムバックした時の映像を見たのですが、相変わらずキモイ化粧にど派手な衣装で、シャウトするような歌い方は昔のまんまでしたが、おでこや目の周囲には年齢を感じさせる皺も見られ、おっ、歳をとってガンにもなったのに頑張っているなあぁ・・・と、密かに応援していたところでしたが、病には勝てなかったみたいで亡くなられてしまいました

葬儀の様子をTV番組で流していたのですが、42,000人というファンの方が参列したというのを聴いて、これにはちょっと驚かされました。なんと、あの美空ひばりさんの参列者とほぼ同数だそうです

ガン予備軍の僕としては、「若くしてガンで亡くなってしまった」という一点で、考える事が大きかったのですが、流れていた参列者の映像を見ると、若い人から同年代の人まで、相当幅広い世代の支持を得ていたのがわかります。葬儀にまで参列するということは、相当の思い入れみたいなものが、参列者にはあったのでしょうね

祭壇に飾られていた写真は、さすがに化粧をしている姿ではなく普通の写真でした。そこには髪は長いものの50代後半の優しそうで屈託のない笑顔の清志郎がいました。ど派手な化粧をしている姿しか知らない僕にとっては、初めて見る顔でしたが、写真から滲んでくる人柄の良さみたいなものを感じ、真摯に生きてきた人ではないかと思いました。そして、そのあたりが幅広い世代の人達に、何かを訴えたのではないかなとも想像しています

一昨晩、youtubeで「トランジスタラジオ」と「雨上がりの夜空に」を思い出したように聴いてみました。いろいろな映像がありましたが、どの映像もキモイ化粧にど派手な衣装と、相変わらずのスタイルでしたが、どの映像も熱唱と呼ぶに相応しく頑張っていました

もう、このように熱唱する彼の姿を見る事はできません。ちょっと寂しい気もしますが、ご冥福をお祈り申し上げます


http://www.youtube.com/watch?v=M7gZPrC5za8