政治資金収支報告書

昨年の安倍政権発足以来、政治資金収支報告書の虚偽記載や記載ミスなどが大きな話題になり、参議院選挙前も騒ぎになって、選挙に大きな影響を与えました

選挙後の新しい組閣にあたっては【身辺調査】なる言葉すらでてきて、新しい閣僚は粗相の無い人が選ばれたものと思っていたのですが、新政権発足後わずかしか経っていないのに、「政治と金」の問題で、すでに2人も辞任に追い込まれるという、ある意味異常な事態になっています。辞めていない人においても、収支報告書に「単位の記載ミス」「領収書をコピーしてしまった」「自宅の光熱費を入れてしまった」「・・・」等々、何人かの人からは、愚にもつかない言い訳が続いていますね

領収書の二重計上や五重計上なんて人もいましたし、鴨下さんのように、貸付金の金額が正しくなかったと2度も訂正をしたりする人がいるなど、かなりひどいですね。若手で、まだマシかなと思っていた石原伸晃さんも同じで、記載単位をミスしたと言い訳していました

恐らく、ほとんどの国民は、誰が・いくら・どのように支出したのか?・・・・・などというのには、ほとんど興味を持っていないし、政治資金収支報告書などに本当の事が書かれているとは、残念ながら誰も思っていないのが現実でしょう。国民の怒りは、【虚偽の記載をしている】という事が発覚した一点につきます

さらにひどいのは、発覚した人が、ありとあらゆる言い訳で取り繕うとしている事が見え見えになってしまった・・・・・という事も決定的な事ですね。安倍総理は、「説明責任」という言葉を良く使いましたが、発覚してしまった人は、説明と言うよりも言い訳に終始しているだけで、何も説明していないのもかなりひどいです

鴨下さんを例にとれば、「200万円しか銀行から引き出していないので、貸付金が1000万円と記載してしまったことは記載ミスである」と銀行の預金通帳を示して力説している姿が映し出されましたが、本当に問題なのは、【その差額の800万円はどうなっているの??】と言うことです。鴨下さんの政治資金管理団体が1000万円を本人から借りたということで収支報告書を提出しているのに、実際は800万円少なかったわけですから、実質の収入が800万円少ないのに、帳尻があった収支報告がなされていたということになります。その800万円の行方等についてキチンと説明するのが、本来の説明と思うのですが・・・・・

とはいえ、数字を適当に訂正して出し直せば済むと本人は安直に思っているのかもしれませんが、大部分の国民は、収支報告書を訂正したからと言って、今度は本当のことが記載されているとは、まず思わないでしょうね(笑)。それに輪をかけて国民感情を逆撫でしているのが安倍総理で、「残念です・・・記載ミスでは仕方がありません」と、国民に詫びるどころか、相も変わらず擁護する姿勢や言動では、国民感情が収まるどころか、ますます政治不信を増長させているだけのようにしか見えません

長い政治史上、数々の疑獄事件が起こる度に政治不信(政治家不信)が起きてきましたが、その時には関係する議員だけが取りざたされていたのですが、今回の政治不信問題は、不特定多数の人がその対象になってしまっていますので、政治不信というよりも自民党不信に結びついてしまい、参議院選挙の大敗に結びついてしまったのですが、当事者の自民党議員がこれでは、次の選挙でも、今回の参議院選挙と間違いなく同じ結果になるでしょう

政治資金収支報告書なんて、特にたいしたことはないと思っていたのですが、この存在が、政治の転換点の一つとなりそうですね