オリンピック雑感・その2

普段は見向きもされないのに、オリンピックになると期待されてしまうものがいくつかあり、柔道・レスリング・陸上・女子サッカーソフトボールなどが、その最たる物でしょう

また、野球やサッカーなどのようにプロリーグがあって人気のあるスポーツや、北島選手・室伏選手・野口選手・谷選手・鈴木選手・伊調選手らのように、前回のオリンピックで金メダルを獲得したような人は、さらに期待は高く持たれてしまい、相当なプレッシャーの中で競技しなければなりません

ところが、室伏選手などは前回のアテネ大会くらいの時がピークの状態という感じで、今回の5位という結果については、期待はずれというわけではなく、まあ順当な成績ではなかったのかなと思います

期待はずれの代表といえば、やはり日本の男子サッカーと野球でしょうか。サッカーについては、女子のなでしこジャパンがメダルに手が届きそうなくらいの活躍だったのに、男子サッカーは予選リーグ3戦全敗で、あげた得点もわずかに1点という、なんとも不甲斐ない結果でした

サッカー人気も定着し、選手も若いうちから海外留学したり、海外のチームで活躍している人も揃えたチームであるのにも関わらず、3戦して得点がわずか1点での全敗ですから、どうにもなりません。今後、どのように強化を進めていくのか、現在の方法で強化を進めていても、何の効果も得られないだろうと思わせる結果でした

一番最悪なのは、何と言っても野球でしょう。戦前は「金メダルしかいらない」と星野監督が豪語していたのですが、結果は銅メダルにも届かない4位で、すべての戦績は4勝5敗という惨憺たるものに終わってしまいました

ロス五輪で金メダルを獲ったり、WBCでは王監督のもと世界の強豪を蹴散らして優勝したりと、活躍をしてきた日本チームでしたが、そのような栄光が霞んでしまうような敗戦劇でした

「調整不足だった」「ストライクゾ−ンが日本と違う」「デーゲームには慣れていない」「時間が不足していた」「ゲーム方法(タイブレイク方式)がおかしいのではないか」などなど、大言壮語したわりには、情けない言い訳を重ねていた星野さんですが、何とも情けない感じしか受けませんでした

日本の野球チームは全てが高給取りのプロ選手から選抜し編成されており、選手村へも入らず五つ星ホテルに泊まって闘うという特別な扱いを受けながら、アメリカの2軍選手や韓国チームにコロ負けしてしまい、カナダチームには薄氷を踏む思いで勝てたぐらいですから、強烈に批判されてもこれは仕方がありません

オリンピックにおいては最後の戦いですし、一昨年はWBCの世界チャンピオンになったばかりでしたので、野球ファンや野球少年の期待は最高潮に達し(星野さんの大言壮語もあった)、期待度はかなり高かったことと思います

しかし、あれほどの惨敗では、どのような言い訳をしてもダメでしょう。またルールやストライクゾーンの違いや、あるいはボールの違いやデーゲームなどについても、基本的にはどのチームも同一条件で闘っているわけですから、敗因になるわけはなく、日本野球の底の浅さを感じざるを得ないのとともに、これでは、アマ選手でも出しておいた方が良かったのではないかとすら思います

今回の五輪が最後の競技になりそうだからと言って、勝つためにアマではなくプロ野球からすべての選手選考をしたように記憶しています。アマの夢を奪ってまで勝ちに行っているのですから、もうちょっと勝ってもらいたかったですね

ここ数年プロ野球人気の陰りが言われています。金メダルを獲って野球人気を復活させるどころか、これでは凋落に拍車をかけただけで終わってしまい、何とも後味の悪い競技でした

元々野球は好きなので、頑張っている選手に文句を言うつもりはありませんが、星野監督だけはダメですね。中日が優勝して以来のここ数年「闘将」として持て囃されているようですが、監督としての手腕はどうもイマイチという感じにしか映らず、とても長島さんの後を継ぐほどではないように思っています

ここのところの報道では、次回のWBCの監督を星野さんにと言ったようなニュースが流れていたりします。星野さんは怒鳴り散らしているだけで、戦術や深い戦略など持っていそうにはみえないので、僕としては王さんや野村さんあたりにやってもらいたいと思っているところです